はじめに:倉庫は“ただの保管場所”ではない
物流において「倉庫」は、単に荷物を置いておく場所ではありません。
商品や資材の特性に応じて適した環境で管理することが、品質維持・安全確保・法令順守の面から極めて重要です。
この記事では、代表的な4つの倉庫タイプ──
- 常温倉庫
- 冷蔵・冷凍倉庫
- 危険物倉庫
- 医療品対応倉庫
について、それぞれの特徴と向いている荷物、選び方のポイントを解説します。
Contents
■ 【常温倉庫】最も一般的な倉庫。多くの物流の中心
◯ 特徴:
- 外気温に近い温度帯(15℃〜25℃前後)
- 温度管理不要な商品に対応
- 最も利用されている倉庫形態
◯ 向いている荷物:
- 書籍、衣類、日用品、雑貨など
- 非食品のBtoB商品・販促物・印刷物など
◯ メリット:
- コストが安い
- 汎用性が高く、立地の選択肢も多い
■ 【冷蔵・冷凍倉庫】食品や温度管理が必要な商品の保管に最適
◯ 特徴:
- 冷蔵(0〜10℃)や冷凍(-20℃など)の温度帯を維持
- 高い電力と設備投資が必要
- 入出庫時も温度管理が求められる
◯ 向いている荷物:
- 生鮮食品、冷凍食品、乳製品、チョコレートなど
- 医薬品や温度敏感な化粧品類も一部対応可
◯ 注意点:
- 倉庫使用料・物流コストは常温に比べ高め
- 解凍や結露のリスクにも注意が必要
■ 【危険物倉庫】法令対応が必須の特殊倉庫
◯ 特徴:
- 消防法に基づく「危険物取扱」の指定を受けた倉庫
- 保管可能な危険物は「第◯類〜第◯類」など細かく規定
- 保安管理者の配置、換気・消火設備などが必要
◯ 向いている荷物:
- 塗料、オイル、アルコール類、可燃性ガスなど
- 工業用化学薬品、接着剤、洗浄剤など
◯ 注意点:
- 荷主側にもMSDS(安全データシート)提出が必要
- 輸送・積み下ろしの資格制限もあり
■ 【医療品対応倉庫】GMP・GDP基準を満たす高度管理倉庫
◯ 特徴:
- 医薬品の品質を守るための厳格な基準に準拠(GMP, GDPなど)
- 温湿度・清潔度・入出庫記録の管理が必須
- 国の認可や定期的な監査が行われる場合も
◯ 向いている荷物:
- 医療用医薬品、ワクチン、治験薬
- 一部の化粧品・医療機器など
◯ 注意点:
- 倉庫費用は非常に高額
- 流通加工(ラベル貼りなど)にも制限あり
■倉庫選びのポイント
チェックポイント | 内容 |
商品の特性 | 温度・湿度・光などに敏感か? |
法令の確認 | 危険物・医薬品など、保管に法的規制があるか? |
加工・検品の有無 | 入庫後に印刷・封入などの作業が必要か? |
発送の頻度 | 常時在庫か、短期保管か、定期出荷か? |
■ イシカワコーポレーションの対応範囲と強み
当社は、常温倉庫での印刷物・販促物・封入物の保管〜加工〜発送をワンストップで行える体制を整えており、
特にBtoB分野での大量・複数個口の出荷に対応可能です。
また、冷蔵・危険物・医療品倉庫との提携により、
「多拠点・多温度帯・高付加価値の物流」にも柔軟に対応できます。
■ まとめ:商品に合った倉庫選びが、物流の質を決める
倉庫はただ荷物を預ける場所ではなく、商品の品質と信頼を守る重要な拠点です。
自社の商品に最適な倉庫を選ぶことで、クレーム削減・効率化・ブランド価値向上にもつながります。物流に関するご相談や倉庫の選定でお困りの方は、
お気軽にイシカワコーポレーションへご相談ください。